「気分転換・ポジティブ日記」ってなに?「気分転換・ポジティブ日記」は、一日にあった良かったこと3つとその理由、自分を褒める言葉を書く日記のことです。
研究課題名;認知症介護のポジティブな面を捉える評価尺度と介入の開発・日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 2018年4月 - 2021年3月(課題番号18K12990)の支援を受けて、「気分転換・ポジティブ日記」は、デザイナーによりデザインされ完成、無料公開しました。
「気分転換・ポジティブ日記」の効果は?我々の研究では、認知症の人を介護する家族が4週間実施し、介護の負担感や介護を受けている認知症の人の行動や心理の症状が軽減するという成果を得ました。
また、新しい研究では、家族介護者の抑うつに特に効果があることが明らかとなりました。これらの研究成果は、国内外の学術雑誌の掲載済みです。
「気分転換・ポジティブ日記」を書くことでこれらの効果を感じ、前向きに生活することができると思います。
また、身近な家族介護者にお渡しして、ご活用いただくこともできます。
なぜ「気分転換・ポジティブ日記」なのか?我が国では、認知症施策推進大綱が2019年に策定されました。その中で、できる限りすみ慣れた地域で暮らすことを推奨しており、その実現のためには家族介護者支援は重要です。また、認知症の人の介護者の負担軽減の推進も明示されており、介護休業等の体制整備支援による介護離職の防止や認知症カフェの普及、オンライン教育プログラムの開発等が記載されています。また、認知症の人の家族介護者の支援に関する研究をみてみると、家族教育に関するものが多いです。認知症は、疾患特異的な症状が多いため、教育は有用と思いますが、企画立案、人員の確保、家族が通うための労力を要することなど、簡単には実施できないという側面もあります。さらには、対応の知識や技術などの教育的介入は重要ですが、心理的介入の重要性も高く、研究を推進するよう言われています。加えて、認知症対応の知識や技術があれば良いということであれば、介護専門職が家族介護を担う時に大きな問題はないはずですが、そうはいかないことが多いと経験的に感じています。その反対に、専門職であるからこそ、なぜうまくいかない、できないのか・・といった葛藤を抱えやすいとも感じています。また、我々の知る限りでは、認知症ケアでエビデンスの示された標準的な技法などは存在していません。そのため、認知症家族介護者の支援、介護の継続のためには、心理的介入がより重要と考えています。
個人的には、いかに自分の時間を作るか(負担となることから距離をとるか)、しかし介護を全くしないことは難しいので・・いかに良かったことに目を向けるか、が大切だと思っています。意欲のある人は、認知症に関する知識やケア技術の教育を受けても良いと思いますが、専門職ではないので、これを全員に求めるのは酷だと思っています。
日本には介護保険制度があり、デイサービスやショートステイなどのサービスを受けるために、国が補助する仕組みがあります。これらのサービスをうまく活用していくことで、認知症家族介護者の負担軽減や介護の継続に寄与できる可能性もあります。しかし、社会保障費は、高齢人口の増加に伴い年々増えており、2018年度の試算では2040年度には社会保障費のうち介護に関わる費用が24.6兆円(2018年度の2.3倍)まで増加するとされています。いつまでもあてにしてられない、というのが現状です。
このような状況を踏まえても、インフォーマル・サポート(家族介護者の会、認知症カフェなど)が重要であり、認知症カフェの在り方などが検討されています。しかし、介護で忙しい生活の中で外へ出向くこともなかなか難しいことや老々介護ではそこまでの移動手段の確保が困難であったりします。また、新型コロナウイルスの流行により、外へ出向くことが以前より難しくなっています。そのため、自宅で手軽にできる心理的な安定のための取り組みが必要と考えています。
認知症介護の根本的な解決策はなく、介護保険サービスの限界もある・・・
そのため、心理的な支えが重要であり、私自身の経験からも介護において嫌な記憶のみならず、良かった記憶もあります。
また、そのような良かったことに目を向けることはとても重要であり、心理の安定につながります。
そこで、「気分転換・ポジティブ日記」を考案して、調査を行ってきました。
新型コロナウィルス禍でも行えるペンとノートがあればできるので、外出制限のある現代においても簡便に行えます。
また、最近では抑うつ傾向の人が増えていると言われています。
介護者のみならず、一般のみなさんにとっても書くことは有益かと思います。
かくいう私も、自身でも「気分転換・ポジティブ日記」をつけています。
これがなかなか良いんですよ・・本当に(笑)
ひとりでも多くの人に届けたい講演活動や、地域の家族介護者の会の手伝いや立ち上げなども行っています。
介護の大変さがこれで解決するとは思っていません。
しかし、心理的支援の一つではあり、自分の気持ちを整理するツールの一つではあります。
実際に、日記をつけて気持ちが楽になったという方を多く見てきました。
それであれば、より多くの人の目に触れる努力をすることは、必要なことだろうと思いました。
一方で、講演や研修のみでは不足を感じました。
また、ポジティブ日記のデータを無料公開していますが、書くためには印刷、製本が必要であり、それにはコストがかかります。
そこで、本プロジェクトでポジティブ日記を製本・郵送したり、書籍の出版したりすることで、より多くの人の目に触れ、その中の一人・・また一人が少しでも気持ちが楽になることに貢献できれば本望です。
いただいたご支援の使い道今回のクラウドファンディングでは、「気分転換・ポジティブ日記」の普及のための資金を集めさせていただきます。具体的には、ポジティブ日記の製本費用とポジティブ日記の説明書(仮)の書籍の制作、郵送費用、その他ポジティブ日記に関連する諸費用に使用する予定です。
プロジェクト担当者・藤生大我祖父母が認知症となり、中学生の頃から家族介護に関わり始めました。
高崎健康福祉大学で理学療法を専攻し、卒業研究で認知症家族介護のポジティブな側面について調査を行い、その頃から、認知症の人と家族の会への参加を始めました。
大学卒業後、本庄総合病院で理学療法士として勤務し始めました。その傍ら、認知症の人と家族の会の活動や地域のボランティア団体で認知症カフェの手伝いなどを行っていました。大学院に進学し、認知症家族介護のポジティブな観点からの介入として独自のポジティブ日記を考案し、調査を行いました。
その後、群馬大学大学院保健学修士を修得し、認知症介護研究・研修東京センター・研究主幹として「認知症ケア」についての研究に従事しました。
現在は医療法人大誠会内田病院で理学療法士として勤務しています。
研究と研修、現場において、どうしたら頑張っている人(特に認知症の人を介護する家族)により良い世の中になるか・・を思考し、実践しています。
その一つが、「気分転換・ポジティブ日記」です。
どうぞご理解、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
■特定商取引法に基づく表記
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目標は ¥120,000 に設定されています。
プロジェクトは 2022/04/05 に達成し、2022/05/06に募集を終了しました。
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